ご挨拶

第18回日本神経消化器病学会
第6回IBS研究会
会長 武田 宏司 (北海道大学大学院薬学研究院臨床病態解析学)  平成28年 9月9日(金)、10日(土)の2日間にわたり、第18回日本神経消化器病学会および第6回IBS研究会を、第84回消化器心身医学研究会、第10回FD研究会と合同で開催させていただく事になりました。特に消化器心身医学研究会については、来年度からは日本神経消化器病学会に発展的に統合されますので、その名前を冠した会としては今回が最後の記念すべき会となります。
 いうまでもなく消化管は人間を含めた動物にとって最も重要な臓器ですが、自律神経系、内分泌系、免疫系を介して、もう一つの重要臓器である中枢神経系と密に関連しています。機能性消化管疾患の病態解明や新しい治療の開発において、脳腸相関の役割は益々重要なものとなってきております。今回のテーマを「異分野融合をめざして」とさせていただきましたが、これは機能性消化管疾患の研究の発展のためには、異分野から新しい知見や方法論を取り入れるべき時期にきているのではないかと感じたからです。本学術集会では、消化器内科の医師だけでなく、基礎研究者、歯科を含む他領域の研究者、薬剤師をはじめとする薬学関係者、コメディカルの方々など多分野の方々の英知を結集し、消化管の機能異常について様々な角度からディスカッションをしていただきたいと思っております。現在、鋭意プログラムの作成中ですので、内容が決まり次第、逐次このホームページ上でお知らせいたします。
 多くの皆様にご参加いただけます事を心より願っております。
第84回消化器心身医学研究会 会長 奥村 利勝 (旭川医科大学内科学講座 消化器・血液腫瘍制御内科学分野)  第84回消化器心身医学研究会を主催させていただくことになりました旭川医科大学内科学講座(第三内科)の奥村です。
 消化器心身医学研究会は消化器領域における心身医学の発展・向上に寄与することを目的に、昭和48年(1973年)に始まり今回で第84回を迎えます。私の恩師であります故並木正義先生(旭川医科大学名誉教授)が本研究会発足当初より、この研究会の運営に積極的に関わってまいりました。本研究会代表幹事の金子先生及び諸先生のご配慮もあり、現在まで「並木賞」という形でその名前を残していただいており、大変ありがたく思っております。しかし、第84回を数える歴史ある本研究会も今回をもって幕引きとなります。我々とゆかりの深い本研究会の最後を、この北海道で主催する機会を与えていただき、大変光栄に存じます。本研究会が終了しても、消化器心身医学研究発展の必要性は益々高くなることは間違いなく、日々の臨床の場で実感するところです。今後もこの分野を更に発展させていく第二章への始まりと位置づけて、これまでを振り返り、今後の方向性を模索する事ができればと考えております。日本神経消化器病学会、機能性ディスペプシア研究会、IBS研究会と合同集会は武田宏司教授、加藤元嗣教授のもと異分野融合をメインテーマとしております。消化器心身医学研究はその名の示す通り、消化器病と心身医学の融合分野ですが、消化器病学、心身医学、脳科学、行動医学、代謝・内分泌病学、薬理学そして多種のメディカルスタッフが関与する学際的な領域であり、皆様の積極的なご参加をお願いし、有意義な議論の場となることを心より期待しております。
第10回機能性ディスペプシア研究会 会長 加藤 元嗣 (国立病院機構 函館病院)  この度、第10回機能性ディスペプシア研究会の会長を務めさせて頂く、函館病院の加藤元嗣でございます。第10回と区切りとなるこの研究会を、4学会・研究会の合同学術集会として地元の札幌で開催できることは、大変名誉なことで非常に喜ばしく思います。
 この10年間でわが国での機能性ディスペプシアの診療は劇的に変化してきました。2013年には機能性ディスペプシアが保険適用病名として使われるようになり、2014年には日本消化器病学会が機能性消化管疾患診療ガイドラインが発表されました。また、2014年のThe Kyoto Global Consensus MeetingでH. pylori関連ディスペプシアの定義が明確にされ、本年度のGutに論文として発表されたこともあります。機能性ディスペプシアを取り巻く状況は、研究者だけではなく、実地医家も巻き込んで進化を遂げてきています。
 そのような中で、機能性ディスペプシアの病態解明や診断治療に少しでも貢献できる研究会にできればと考えています。新たな試みとして、腹部エコーを用いた消化管運動機能評価のライブセミナーを、講師に川崎医科大学の楠 裕明先生と北海道大学の西田 睦先生を迎えて行います。普段日常診療で行っている機能評価方法をリアルタイムに見学できる絶好の機会と思いますので、医師だけではなく、検査技師を含めたメディカルスタッフへの周知をお願い致します。
 我々3名の会長がチームとなり、様々な試行を凝らして皆様方をお迎えしたいと考えておりますので、多くの参加者を期待しています。